『新・成敗』は法で裁くことのできない悪を裁くために「成敗人」となって、仲間たちと協力しあいながら、街にはびこるすべての悪党たちを秘密裏に倒すことを目指す協力型ボードゲームです。
ストーリー的には「必殺!〇〇人」シリーズそのものです。
悪党たちに父親を討たれた少女が町外れにある古い神社に訪れ、ワラをもつかむ思いで何度も石段を往復し、「神様、どうかお父ちゃんの仇を討ってください。」と祈りを捧げながら、疲労のあまりに倒れてしまった少女のところに若い巫女が現れます。
その巫女は小判を差し出し「成敗人」たちに依頼をし、その小判を受け取った「成敗人」たちは少女の父親を討った悪党たちを調査し、用心棒の数や隠し持っている武器はないかと、様々なことを把握したところで「成敗決行」に移ります。
「今宵、お命、頂戴します。」
悪党たちに裁きを下すため「成敗人」たちは闇夜を走る。
プレイ人数 | 3~8人 |
対象年齢 | 10歳以上 |
プレイ時間 | 30~60分 |
ゲームの概要
あなたたちは法で裁くことのできない悪党たちを秘密裏に裁く「成敗人」になります。
しかし、悪党たちには隠された情報があり、多くの部下を引き連れているものや、武器を隠し持っているもの。中には人質を取って待ち伏せしているものもいたりします。
腕利きの成敗人たちではあるけども、それらの情報を把握しないで闇討ちを決行すれば、卑怯な悪党たちの罠にかかり自分が倒されてしまうかもしれません。
成敗人たちには固有の特別な能力があり、それらを使用しながら悪党たちの秘密を暴いたり、自分の能力を強化したりすることで、悪党たちの成敗を確実なものにするため、仲間たちと協力しあいながら、調査や鍛錬を繰り返します。
ただし、その悪党たちの手によって新たな犠牲者が出ないように、成敗の決行までに費やせる時間には限りがあります。
その限られた時間を上手に使い、悪党たちを見事「成敗」することができるのだろうか。
セット内容
★成敗人カード 12枚
★成敗人・裏の顔カード 12枚
★悪党カード 12枚
★支度カード 80枚
★状況カード 60枚
全カード 176枚
『新・成敗』のカードサイズは「63mm×88mm」です。
カードが傷ついたりしないように保護することをオススメいたします。
カードの説明
★成敗人カード 12枚
能力値の数値は上から「閃」「撃」「命」となっています。
閃=速度
撃=攻撃力
命=耐久力
特殊能力は成敗人によって、それぞれ異なりますが、特殊能力を持っていない成敗人もいます。この囲みの中に記されている数字はこの特殊能力を使用する場合の消費時間になります。
★成敗人・裏の顔カード 12枚
このカードの表面には成敗人たちの成敗決行時の姿が描かれており、決めセリフも書かれています。成敗決行のときにはこのセリフをビシッと決めてやりましょう!
裏面には手番概要と共通能力表が書かれているので、自分の手番に何ができるのか確認をするために利用しましょう。
★悪党カード 12枚
成敗人カードと同じように右側には「閃」「撃」「命」の能力値が書かれていて、下の囲みには特殊能力が書かれています。こちらも成敗人と同じように特殊能力を持たない悪党もいます。
右上の黒枠に書かれている数字はその悪党に付属する状況カードの枚数を表しています。この悪党が持つことのできる手札枚数のようなものです。
★支度カード 80枚
成敗人たちが成敗決行までにおこなうことができる様々な行動を示すカードになります。
上の囲みにはその行動の名称とその行動によって消費される時間が書かれています。この囲みの左下に小さく書かれている数字は支度カード80枚のうち、このカードと同じものが何枚含まれているかを表しています。
左側の数字はその行動によって成敗人の能力が修正され、成敗人が最初から持つ能力に̟合計します。必ずプラスになる訳ではないのと、この能力値が書かれていないカードもあるので、ちゃんと確認して使いましょう。
下側の囲みはその行動によって得られる効果が書かれています。能力値と同様に何も書かれていないカードもあります。
★状況カード 60枚
このカードは悪党たちが抱えている様々な秘密や、雇っている戦力を示すカードです。
カードの見かたは支度カードと同じですが、効果の発動によって成敗人に与えられる内容のものがあるので、よく読みましょう。
ゲームの準備
★各プレーヤーは自分が使う成敗人を決めて、その「成敗人カード」と同じ名前の「裏の顔カード」を受け取ります。
★すべての悪党カードをよくシャッフルし、プレーヤーの人数と同じ枚数だけ各プレーヤーの中央に縦に並べます。この悪党たちが今回成敗するターゲットになります。
★すべての状況カードをよくシャッフルし、各悪党が持つことのできる状況カードの枚数だけ伏せた状態で右側に並べて、残ったカードは左側に山にして積んでおきます。
★すべての支度カードをよくシャッフルし、各プレーヤーの伏せた状態で7枚ずつ配り、残ったカードは悪党カードの左側に積んでおきます。
★ジャンケンなどでスタートプレーヤーを決め、その後は時計回りで手番をおこないます。
情報の共有と重要なルールについて
『新・成敗』は仲間と協力して悪党を討伐するボードゲームなので、情報の共有は重要であり、完全討伐する上では欠かせない内容です。
しかし、すべての情報を公開してしまうとゲームの難易度が極端に低くなってしまうので、ある程度のルールが設定されています。ですが、『新・成敗』は難易度が結構高めなので、初めて遊ぶ場合は多少ゆるくても良いとは思います。
★自分の手札の内容を具体的に話してはいけない。
× 俺は〇〇のカードを持っているから、次の手番で出すよ。
○ その状況カードは俺が何とかしよう。
○ このままでは「命」が足りなくて、〇〇には勝てない。
★自分が確認した未公開の状況カードの内容や位置、その悪党の現在の強さを具体的に話してはいけない。
× この悪党は「用心棒」を2人雇っている。
× この状況カードは〇〇だから、誰か公開してくれ。
× この悪党のの攻撃力は「10」だ!
○ この悪党なら今の君でも勝てそうだ!
○ この悪党は私が討伐するから手出し無用。
基本的にカードの内容や数字を具体的に話さなければ、みんなで相談し合うのはOKです。これもゲームに慣れるまでは適当でかまわないような気がします。
ゲームの進行方法
スタートプレーヤーから時計回りで順番に手番をおこなっていきます。
手番中に手札や自分の特殊能力や共通能力を使用することで、プレーヤーの前に支度カードが並べられていきます。ここに並べられたカードにはその行動をするための「時間」が書かれています。
この時間の合計が「10」になったプレーヤーは自分が成敗する悪党を決定し、成敗決行のときまで待機することになります。
★手番でおこなう内容
自分の手番が回ってきたプレーヤーは4種類の行動のうち、いずれか1つを選んで実行します。
1.手札を1枚使用する。
2.自分の成敗人が持つ特殊能力を1回使用する。
3.共通能力を1回使用する。
4.自分が成敗する悪党を決定する。
🔸手札を1枚使用する
自分の手札の中から支度カードを1枚選び、自分の成敗人の右側に並べ、そのカードに書かれている効果を適用させます。
カードには時間が書かれており、合計が「10」を超えて「11」以上になるようであれば、そのカードを使用することができません。合計が必ず「10」以下になるように注意してください。
🔸自分の成敗人が持つ特殊能力を1回使用する
特殊能力を持っている成敗人はこの行動をすることができます。特殊能力を持っていない成敗人はこの行動はおこなえないので、他の3種類から選ぶことになります。
この行動を実行する場合にも「0~2」の時間が必要になります。
「0」の場合、時間は必要ありませんが、「1~2」の場合、手札の中から必要な枚数を成敗人の右側に伏せた状態で並べなくてはいけません。
「1」の場合は1枚、「2」の場合は2枚必要です。
このときに伏せた状態で出すカードの効果は発動しないので、自分が使わないと思うカードを出すようにしましょう。
特殊能力を使用する場合も合計時間は「10時間」までしか使えないので、すでに9時間使っている場合、「2」必要になる特殊能力は使用できません。
例外として成敗人「琴」の特殊能力で「公開時:~」の効果だけは他のプレーヤーの手番であっても使用することができます。ただし、「琴」が成敗する悪党を決定したあとは使用できません。
🔸共通能力を1回使用する
すべての成敗人はそれぞれが持つ特殊能力の他に全員が使用することのできる「共通能力」というものが4種類あり、いずれか1つを選んで使用することができます。
これらの「共通能力」に必要な時間はすべて「1」になります。
使用する場合は特殊能力を使う場合と同じように手札の中からカードを1枚選んで、成敗人の右側に伏せた状態で並べます。
1.支度カードの山からカードを1枚引いて手札に加える。
2.支度カードの山からカードを2枚引いて手札に加えたあと、手札からカードを2枚選んで捨て札にする。
3.自分の手札の中からカードを1枚選んで、他のプレーヤーに渡す。
4.未公開の状況カードを1枚選んで、内容を確認する。
🔸自分が成敗する悪党を決定する
『新・成敗』は1人の悪党を1人の成敗人が受け持つことになります。1人の悪党に対して複数の成敗人で挑むことはありません。もちろん複数の悪党に対して1人の成敗人で挑むこともありません。自分が成敗する悪党を他のプレーヤーと被らないように必ず1人に絞る必要があります。
自分が成敗する悪党を決めた場合は自分の「裏の顔カード」をその悪党の左側に縦向きで置きます。また、決定はしていないけども自分が成敗しようと思っている場合などには「裏の顔カード」を横向きにして置いておくと、他のプレーヤーから見ても分かりやすいです。
ゲームが進んでいき、自分の手札が無くなったり、時間の合計が限界になったときは必ずこの行動を選択しなければなりません。
成敗する悪党を決定した場合、その後の自分の手番は飛ばして最後の1人が決定するまで、待機状態になります。
自分の手札や時間が残っている場合でも成敗する悪党を決定することはできますが、協力型ボードゲームなので、自分の限界が来るまで他のプレーヤーの手助けをしてあげた方がいいでしょう。
状況カードの効果
悪党の右側に並べられている状況カードは手番プレーヤーが手札を使用したり、成敗人の特殊能力によって、確認されたり公開されたりすることがあります。
その際に「確認時:~」「公開時:~」で始まる効果が書かれている場合、手番プレーヤーはただちにその効果を適用する必要があります。
最後の戦闘によって公開された場合も同様です。
複数の状況カードが同時に公開された場合、処理をする順番は公開したプレーヤーが自分で好きなように決めてもかまいません。
「公開時:~」の効果によって、成敗人の「行動カード」に加えられた状況カードはその後、「行動カード」として扱われ、「状況カードを~」という効果には該当しなくなります。
しかし、「行動カード」として扱われるので、「行動カードを~」という効果は該当します。
戦闘について
すべてのプレーヤーが成敗する悪党を決定したら、成敗決行のときを迎え、それぞれの成敗人が戦闘シーンへ移ります。
戦闘の順番は自由に決めてかまいませんが、勝てることが分かっている成敗人から始めて、情報不足により勝てるかどうか微妙な成敗人は後半戦にする方が楽しめると思います。
必殺シリーズのBGMをかけながら戦闘シーンへ移りましょう!
★成敗の成功について
戦闘をおこない、悪党との決着のつき方には4種類あります。
1.勝利(成敗人が悪党を一方的に倒す。)
2.相打ち(悪党を倒しはしたが、何らかの効果により成敗人も倒される。)
3.失敗(悪党を倒せはしなかったけど、成敗人も倒されなかった。)
4.敗北(悪党が成敗人を一方的に倒す。)
戦闘の結果が「勝利」の場合に成敗が「成功」となります。中には成敗成功の条件を変更する悪党や状況カードがあります。
成敗成功の条件が「失敗」に変更された場合は決着のつき方が「失敗」で終わったときに成敗人の「勝利」となります。このときに決着のつき方が「勝利」で終わっても成敗成功にはならないので注意が必要です。
★戦闘の判定方法
戦闘する悪党の右側に並べられている状況カードがすべて公開されていない場合、まず状況カードを公開してください。「公開時:~」の効果を持つ状況カードだった場合、その効果を発動させてから戦闘をおこないます。
成敗人と悪党の能力値に補正される数値の合計を出し、成敗成功の変更がないか確認します。
お互いの「閃」の合計を比較して、数値の高い方から先に攻撃の行動を始めます。先に行動した方の「撃」と攻撃を受ける側の「命」を比較し、「撃」が「命」以上の数値であれば倒したことになり、「撃」が「命」未満の数値だった場合は相手を倒すことができずに反撃を受けることになります。
攻撃と反撃は1回ずつしかおこなえず、「閃」の数値が同じだった場合は同時に攻撃をしたものとして扱います。
成敗人 夜叉丸 | 悪党 夢ノ丞 |
閃 8-2+2=8 | 閃 7+3+2-3=9 |
撃 8-2+2=8 | 撃 7+3+1+2-3=10 |
命 8+2-2+5=13 | 命 5+1+2-3=5 |
わかりやすく並べ替えると次のようになります。
成敗人 | 夜叉丸 | 閃 8 | 撃 8 | 命 13 |
悪党 | 夢ノ丞 | 閃 9 | 撃 10 | 命 5 |
「閃」を比較すると、悪党の夢ノ丞の方が数値が高いので、夢ノ丞が先攻となります。
夢ノ丞の「撃」は「10」ありますが、攻撃を受ける側の夜叉丸の「命」は「13」あるので、夜叉丸は攻撃に耐えて反撃に移ります。
夜叉丸の「撃」は「8」で、夢ノ丞の「命」は「5」しかないので、反撃が成功して夜叉丸は無事に夢ノ丞を倒し「成敗」したことになります。
ゲームの終了
すべてのプレーヤーが無事に成敗を成功した場合、プレーヤー側の勝利です。
『新・成敗』は協力型のボードゲームなので、1人でも成敗を成功できなかった場合、残念ながらプレーヤー側の全員が敗北となります。
みんなで力を合わせて悪党を退治しましょう!
難易度の調整
『新・成敗』の難易度は高めになっているので、初めて遊ぶ場合は難易度を少し下げて遊んでみるのもいいかと思います。
難易度を下げる方法は3種類あります。
1.各悪党に配置する状況カードの枚数を1枚以上減らす。
2.成敗人に与えられている時間制限を延長する。
3.情報共有で話せる内容をゆるくする。
悪党に配置する状況カードを1枚減らすだけでも、けっこう難易度が変わります。何回か遊んで勝てそうにないときは調整してみてください。
逆に簡単すぎて物足りないと感じた場合は状況カードの枚数を増やしたり、時間制限を短縮してみたりすると、難易度が上がります。
色々と試してみて自分たちに合った難易度を探してみてください。
まとめ
『新・成敗』のストーリーは「必殺シリーズ」そのものですが、必殺シリーズを知らない人達でも楽しめる内容のボードゲームになっています。
勝負の行方はカードの引きによる運要素がかなりありますが、そこは協力型のボードゲームなので、プレーヤー全員で助け合いながら、街にはびこる悪党たちを成敗していきましょう。
ゲームを進めて悪党の情報を調査していくと、その悪党にも様々なストーリーが生まれたりします。
人質を取ったり、金の力で新たな用心棒を雇ったり、麻薬の取引までするような本当の悪党がいる中で、実は善人だったり、悲しい過去を抱えていたり、病の伴侶の世話をしている悪党もいます。
そういったストーリーをみんなで語り合うのも、『新・成敗』を楽しむ上で欠かせない要素ではないかと思います。
ボードゲームにしては珍しく、8人まで一緒に遊ぶことができるので、みんなで成敗人になりきって格好よく悪党を「成敗」しちゃってください。
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