『ロード・オブ・スコットランド 完全日本語版』では多数の部族が空位のままとなっている盟主の座を巡って争いを繰り返しています。
あなたは一部族の長となって、配下の部隊を収集して戦場へと赴き、力を示すことで友好部隊である同盟軍を味方につけ、その権威を利用することで、「王」としての地位を手にいれ、その頭に王冠をのせることを目指すボードゲームになっています。
部族は9種類の色に分けられており、そのうち1種類はジョーカーのような部族で、条件さえ満たせば、どの色にも変えられる部族能力を持っています。
各部族にはこのような部族能力がそれぞれに与えられており、この部族能力を有効に利用することで勝利へと近づきますが、プレイ人数によって、部族能力の使用条件が変更してしまうので、この使用条件さえ理解してしまえば、その他のルールは覚えやすく、遊びやすいボードゲームです。
とはいっても、使用条件も難しい訳ではないし、手番でおこなうことも2択なので、ゲームもわりとサクサク進み、ボードゲーム初心者でもあまり悩まずに遊ぶこともできますが、戦略性もしっかりとあるので、ボードゲームに慣れた方も、他のプレーヤーとの駆け引きを楽しめます。
プレイ人数 | 2~5人 |
対象年齢 | 13歳以上 |
プレイ時間 | 30分 |
セット内容
★部族カード 98枚
★親マーカー 1個
★部族マーカー 9個
★早見表カード 5枚
『ロード・オブ・スコットランド 完全日本語版』のカードサイズは「58mm×89mm」です。
カードが傷ついたりしないように保護することをオススメいたします。
カードについて
★部族名
所属する部族名が書かれており、それぞれ固有の色があります。
9種類ある部族の中に1種類だけ(ブルース族)ワイルドカードといわれるジョーカー的なカードが2枚あります。
部族名 | 色 | 戦力数値 | 枚数 |
フォーサイス族 | こげ茶色 | 1~12 | 各1枚 |
マギル族 | 黄土色 | 1~12 | 各1枚 |
スコット族 | 黄緑色 | 1~12 | 各1枚 |
ファーガスン族 | オレンジ色 | 1~12 | 各1枚 |
コウバーン族 | 紺色 | 1~12 | 各1枚 |
ブルース族 | 黒色 | 12 | 2枚 |
マクドネル族 | 緑色 | 1~12 | 各1枚 |
コクラン族 | 紫色 | 1~12 | 各1枚 |
ウィームス族 | 赤茶色 | 1~12 | 各1枚 |
★地位
すべてのカードで数字が異なっているので、1から98までの数字が各カードに書かれています。
タイブレイクといって、ラウンド終了時に合計戦力が同じだった場合、自軍にあるカードの中で最も地位の数値が高いカードを持っているプレーヤーの方が上位になります。
戦力の数値が同じでも、部族によって地位の数値が違うので、ラウンド終了時の戦力勝負で同点になった場合は確認してみてください。
★戦力
強さを表す数字になっていて、部族ごとに「1~12」までの戦力を持つカードが1枚ずつあり、この戦力数値は部族能力を利用できるかどうかの判定にも使用します。
各ラウンドが終了するたびに自軍にあるカードの戦力を合計し、その合計値が最も高いプレーヤーから順番に同盟軍のカードを獲得することができます。
獲得した同盟軍の戦力数値は自分の勝利点となり、ラウンド終了時に勝利点の合計が「40」以上になったらゲーム終了となります。
獲得した同盟軍のカードは勝利点を計算するためのものなので、手札に加えたり、自軍として場に並べたりはしないので、きちんと区別して自分の手元に表面のまま横向きにして置いてください。
★部族能力
部族によって部族能力の内容は異なっており、自軍に加えたときに条件を満たしていれば、その部族能力を使用することができます。
通常は自軍に加えるとき、裏面のまま自分の前に並べていくのですが、部族能力を使用する場合は表面にして部族カードの内容を公開します。このとき、使用条件を満たしていないと部族能力を発動することができないので、使用する場合は注意が必要です。
また、部族能力を発動させる場合はプレイ人数によってルールが変更になるので、その点にも注意してください。
使用条件を満たして部族能力を発動させる場合、発動させた部族カードは横向きの状態にして自軍に並べます。
🔸2~3人で遊ぶ場合
すべてのプレーヤーの自軍に加えられている部族カードを見て、すでに公開されている部族カードがあった場合、その部族カードの中で戦力が一番低い部族カードを探し、それよりもさらに戦力が低くければ、部族能力を発動させることができます。
すなわち、すでに誰かが戦力「1」の部族カードを公開していた場合、部族能力を発動させることができなくなります。
🔸4~5人で遊ぶ場合
基本的には2~3人で遊ぶ場合と同じですが、すでに公開されている部族カードと違う部族(色)であれば、戦力の高い低いに関係なく部族能力を発動させることができます。
つまり、すでに公開されている部族(色)と同じ種類の場合は、その部族カードよりも戦力が低くないと発動させることはできないが、すでに公開されている部族(色)とは違う部族(色)であれば、戦力が高くても部族能力を発動させることができます。
2~3人で遊ぶ場合は部族(色)に関係なく、戦力の数値が低くないと発動できないが、4~5人で遊ぶ場合は部族(色)が違えば、戦力の数値が低くなくても発動させることができます。
遊ぶ人数の多い方が部族能力を発動させやすくなっています。
🔸即時効果のある部族能力
発動させたあと、すぐに発動させることができる部族能力。
🔷フォーサイス族(こげ茶色)
山札の上から部族カードを1枚引いて、自分の手札に加えることができる。
🔷マギル族(黄土色)
手札の中から部族カードをもう1枚選んで、自分の自軍に加えることができる。
追加で加える部族カードも条件を満たしていれば、部族能力を使用することができます。
🔷スコット族(黄緑色)
すべてのプレーヤーの自軍に公開されている部族カードを1枚選び、そのカードの部族能力をコピーすることができる。
終了時効果を持つ部族能力をコピーした場合、コピーした部族能力を区別するためにコピーした部族の紋章と同じマークの「部族マーカー」をこのカードの上に置いてください。
コピーするのは部族能力だけであり、その他のカードの色や戦力はコピーしません。
コピーの元になったカードの効果が失われることはありませんので、そのまま効果は残ります。
🔷ファーガスン族(オレンジ色)
他のプレーヤーの自軍に出されている部族カードと、このカードを交換できる。
すでに公開されている部族カード、まだ公開されていない部族カード、どちらでも交換することはできますが、その表裏は変えずに交換してください。
🔷コウバーン族(紺色)
同盟軍の中からカードを1枚選び、このカードと交換することができる。
その表裏は変えずに交換してください。
🔷ウィームス族(赤茶色)
すべてのプレーヤーの自軍にある部族カードを1枚選んで、捨て札にすることができる。
即時効果のある部族カードを部族能力を使用して奪ったとしても、そのカードの部族能力を使用することはできません。
🔸終了時効果のある部族能力
ラウンドの終了処理をおこなうときに発動する効果で、ゲーム中に誰かに奪われたり、捨て札にされた場合は発動しません。
あくまでも、ラウンド終了時にこのカードが自軍にあるプレーヤーに対して発動します。誰かからこのカードを奪ってラウンド終了を迎えた場合、奪ったプレーヤーに対して効果が発動します。
🔷ブルース族(黒色)
どの色にも変えられる効果を持っています。
しかし、持っているだけでは効果は発動しません。ラウンド中に部族能力の使用条件を満たして発動させた場合に効果があります。発動させなければ、ただの黒色のカードです。
戦力が「12」あるので、2~3人で遊ぶ場合に発動させるのはけっこう難しいです。
誰よりも早く部族能力の発動をさせないといけないので、使用するタイミングを考えましょう。
🔷マクドネル族(緑色)
ラウンドが終了しても捨て札にはならずに次のラウンドまで自軍に残すことができる。
効果があるのは1ラウンドのみです。残した状態で次のラウンドに移る場合はカードを表面のまま横向きにして自軍に残してください。
🔷コクラン族(紫色)
同盟軍のカードを受け取るときに同盟軍が2枚以上残っていれば、同盟軍を1枚ではなく、2枚受け取ることができる。ただし、2回以上発動させても受け取るのは2枚のみです。
もしも、受け取るときに同盟軍のカードが1枚しかなかった場合、この効果はなかったものとなり、1枚だけ受け取ってください。
この効果によって、同盟軍のカードを受け取ることのできないプレーヤーが出てきます。
ゲームの準備
★ジャンケンなどで親を決め、親になったプレーヤーは親マーカーを受け取ります。その後は時計回りで手番を進めることになります。
★部族カードのブルース族(黒色)2枚を使用するか決めて、使用しない場合は部族カードの中から抜き出して箱にしまっておきます。ゲームに慣れるまでは使用しない方が遊びやすいです。
★部族カードをまとめてよくシャッフルし、各プレーヤーに伏せた状態で5枚ずつ配ります。残りの部族カードは山札になるので、各プレーヤーの中央に置きます。
★山札から部族カードを伏せた状態で5枚引き、山札の右側に伏せたまま横一列で並べます。ここに並んだ部族カードは「中立軍」になります。
★山札からプレーヤー人数と同じ枚数の部族カードを引き、今度は山札の左側に表面にして横向きの状態で縦一列に並べます。ここに並んだ部族カードは「同盟軍」になります。
勝利条件
各ラウンドの終了時に勝利点を40点以上獲得したプレーヤーが1人でも出たときにゲームは終了し、このとき勝利点の合計が最も高いプレーヤーが勝利します。
勝利点とは各ラウンドが終了するたびに獲得できる同盟軍のカードの戦力を合計した数値のことになります。
ゲームの進行方法
『ロード・オブ・スコットランド 完全日本語版』はラウンドを繰り返しおこなうことで、ゲームが進んでいきます。
各ラウンドは親から時計回りの順番に自分の手番を1回ずつおこない、1ラウンドに各プレーヤーの手番は5回ずつ回ってきます。最後の順番のプレーヤーが5回目の手番を終えたときに1ラウンドが終了となり、自軍の戦力が一番高いプレーヤーから順番に同盟軍のカードを獲得します。
このときに勝利点が40以上のプレーヤーが出たときはゲームを終了し、出なかったときは次のラウンドへと移ります。
ラウンドを始めるとき、親は中立軍のカードをいずれか1枚選んで公開します。その後も親は自分の手番が回って来るたびに中立軍のカードをいずれか1枚選んで公開していくことで、何回目の手番がおこなわれているのか明確になります。
中立軍のカードは5枚あるので、すべてのカードが公開されたとき、5回目の手番が回って来たことになり、最後の順番のプレーヤーが手番を終えたらラウンド終了です。
★手番でおこなえること
各プレーヤは自分の手番が回って来たとき、2つのアクションの中から、いずれか1つを選んで手番を実行します。
1.中立軍を手札に加える。
2.手札の中からカード選び、自軍に加える。
🔸中立軍を手札に加える
場に配置されている中立軍のカードの中から1枚だけ選び、自分の手札に加えることができます。
このとき、伏せられた状態のカードを選んでもいいし、すでに公開されているカードを選んでもかまいません。
ただし、中立軍を手札に加えた場合は山札からカードを1枚引いて、場の中立軍を補充してください。伏せた状態のカードを手札に加えた場合、山札から引いたカードは伏せた状態で補充して、公開されているカードを手札に加えた場合、山札から引いたカードは公開して補充してください。
なお、手札に持てるカードの数は10枚が上限ですので、すでに手札が10枚ある場合はこのアクションをおこなえません。
🔸手札の中からカード選び、自軍に加える
手札の中からカードを1枚だけ選んで、自分の前に配置します。ここに配置されたカードは自軍となり、ラウンド終了時に戦力を合計して、他のプレーヤーと同盟軍の獲得を争います。
自軍へカードを配置するときはカードを伏せたまま配置しても、公開して配置しても、どちらでもかまいません。
ただし、部族能力を利用する場合は公開して横向きの状態で配置してください。
部族能力の使用条件は2~3人で遊ぶ場合、部族(色)に関係なく、すべてのプレーヤーの自軍に公開されているカードの中で戦力の数値が一番低いカードでないと利用できません。
4~5人で遊ぶ場合、部族(色)が違えば、戦力の数値が低くなくても利用することができます。しかし、同じ部族(色)のカードを使用する場合は公開されているカードの中で戦力の数値が一番低いカードでないと利用できません。
★ラウンドの終了処理
各プレーヤーが手番を5回ずつおこなったら、ラウンドの終了処理をおこないます。
各プレーヤーは自軍にあるカードをすべて公開し、戦力の合計値を計算します。このとき、自軍にあるカードが2枚以上で、なおかつすべてのカードが同じ色であった場合、合計値が2倍になります。
部族の色がバラバラ。 | 部族の色が同じだと戦力が2倍。 |
7+3+10+3+5=28戦力 | 10+5=15×2=30戦力 |
合計値の高いプレーヤーから順番に同盟軍のカードの中から1枚だけ選び、自分の前に横向きにして並べていきます。(部族能力の発動により、同盟軍のカードを2枚選べる場合があります。)
もし、合計値が同じだった場合は自軍にあるカードの中で最も高い地位のカードを持っているプレーヤーの方が上位になります。
自軍にカードを1枚も出していないプレーヤーは同盟軍のカードを獲得することができません。
ここで獲得した同盟軍の戦力を合計して、勝利点が40以上のプレーヤーがいた場合はゲーム終了で、40に満たなかった場合は次のラウンドへ移ります。
次のラウンドへ移る場合は場に残っている中立軍のカード、同盟軍のカード、各プレーヤーの自軍のカードをすべて捨て札にしてゲームを続けます。
手札のカードはそのまま次のラウンドへ持ち越すので、捨て札には加えないでください。
もし、山札がなくなった場合は捨て札置き場のカードをまとめてシャッフルし、新しい山札を作ってください。
そして、戦力の合計値が1位だったプレーヤーが新たな親となり、中立軍のカードを山札から5枚、同盟軍のカードをプレーヤー人数と同じ数だけ公開して次のラウンド始めます。
ゲームの終了
ラウンドの終了時にいずれかのプレーヤーが勝利点を40以上獲得した場合にゲーム終了。
終了したら、各プレーヤーの獲得勝利点を合計し、最も高いプレーヤーの勝利となります。
同点の場合は最後のラウンドで最初に同盟軍のカードを獲得した方のプレーヤーが勝利です。
まとめ
『ロード・オブ・スコットランド 完全日本語版』はプレイ人数によって、部族能力を使用する条件が変わるという、ちょっと???ってなるボードゲームではありますが、そこは遊ぶ人たちによって遊びやすいようにしたらいいのかな?と思われます。
ゲーム自体はすごくシンプルで非常に遊びやすく、自分の手番でおこなうことも手札を増やすのか、手札からカードを出して自軍に加えるのか、基本的にはこの2択になります。
1ラウンドで自分の手番が回って来るのは5回まで、この5回の手番でいかに強い自軍を作りあげるのかが勝負のカギです。
同盟軍のカードの内容によって、このラウンドでの勝負は捨てて、次のラウンドのために手札を充実させるとか、どのタイミングで部族能力を発動して勝負に出るのかなど、戦略性もしっかりとあり、十分に他のプレーヤーとの駆け引きも楽しむことができます。
手番での選択内容が少ないので、ゲームもサクサクと進むし、待ち時間によるストレスもあまり感じることがありません。
簡単に気楽に遊べる『ロード・オブ・スコットランド 完全日本語版』オススメです。
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